昨日、『あなたはベネフィットを意識できていますか?』というBLOGを書きました。
今日はその続きとして、タイトルのようにベネフィットを正しく説明するということについてを書きますね!
4)具体的な内容
『ドリルを売るには穴を売れ』で学んだことは、前述した4つのポイントです。
これはマーケティングの基本的理論です。
①ベネフィット
②セグメンテーションとターゲティング(以下、S&T)
③差別化
④4P
もちろん、これらのことばは知っていましたが、実際の内容までは知りませんでした。しかし、このことを知らずにマーケティングの応用や実践はできません。知らないままガンガン進んでも、きっと壁にぶち当たり、ここに戻ってくることになります。
まずは、この4つの基礎理論から一緒に学びましょう!
①ベネフィット
始める前に、まずは【前提】である「マーケティング」とは一体何でしょうか?
マーケティングとは、顧客に価値を提供してお金をいただくことです。
それでは、この項目のタイトルである「ベネフィット」とは何でしょうか?
辞典から紐解くと、以下のような説明があります。
“「利益」「恩恵」「便益」などの意味で、マーケティングにおいては、「顧客が商品から得られる良い効果」のことをいいます。
人は、商品やサービスを購入する際、商品そのものではなく「その商品を使用することによってもたらされるもの」を購入しています。”
例えば、この本のタイトルである「ドリル」を売る場合、ドリルを購入する人は、ドリル本体ではなく、そのドリルで開けられる穴を購入しているといえます。
あなたが売っているのはドリルですが、顧客にとってはドリルが開ける穴に価値があります。この穴こそ顧客が欲しているベネフィットであり、ドリルは手段にすぎません。
顧客と対話する場合には、このことを理解しているか、していないかでは大きく差が出てくることは、あなたも容易に想像がつくはずです。
理解した上で、これを利用しない手はない!
また、ベネフィットには、それを見せることで人間の感情を刺激して購買意欲を向上させる目的があります。
例えば、車を購入する際に、以下の2つの説明のうち、あなたはどちらの人から車を買おうと思いますか?
A:「この車はとても広くて(〇〇㎡)、たくさんの人が乗れます(7人等)」
B:「この広さはご家族全員が乗っても快適で、子どもさんたちは伸び伸びと遊び、ドライバーであるお父さまはゆっくり快適に運転できるでしょう」
Bの方が、より車を購入した際の“良い効果”を想像することができますよね。
そうなんです!
その規格(スペック)を説明するより、それを使うとどのような効果がもたらされるのかについて言及する方がマーケティングにおいて購買意欲を引き出せます。
類似品や競合品が多数ある場合には、他社との差別化から自社製品を選択してもらえるように、このベネフィットを正しく把握し、アピールすることが大切です。
2)マーケティングを「価値」という側面から考えると?
「顧客が得られる価値>顧客が払う価値」の不等号を維持・拡大することになります。顧客が何かを買いたいと思うとき、以下の式が成立します。
商品・サービスにより得られる価値>商品・サービスの獲得・利用に必要な価値
この右辺には、お金、手間や時間が関わってきます。
顧客が「買う」という意思決定をするためには、顧客が得る価値が顧客が支払う価値より大きいと感じるときです。(得られる価値>支払う価値)
したがって、マーケティングとは左辺の「得られる価値」を高めるか、右辺の「支払う価値」を下げる活動全般を言います。
こう考えると、マーケティングを考えることは、会社であればマーケターだけではなく、社員全員が理解しておくべきことになりますね!
3)ベネフィットには大きく分けて2つの種類があります。
・ファンクショナル・ベネフィット(機能的)
その商品やサービスが持っている基本的な価値とそれに付随する機能、便利さや
効率などです。
例えば、早い、うまい、便利などの物理的で計測しやすいベネフィットです。
・エモーショナル・ベネフィット(情緒的・感情的)
その商品やサービスの機能が満たしてくれる感情です。
例えば、名誉、優越感、安心感、権力等、商品の本来の価値とはあまり関係のな
いベネフィットのことです。
人気商品は、このどちらか、あるいは両方を高いレベルで満たしています。
例えば、ルイヴィトンのバッグは「物を運ぶ」「物を入れる」というバッグのファンクショナル・ベネフィット(機能的)はその商品の根底にはありますが、その上で「私はイケてる」というエモーショナル・ベネフィット(情緒的)を顧客に提供しています。
さて、ここからが大切です!価値の源は一体なんでしょうか?
著者の佐藤氏によれば、それは“人間の欲求・欲望”になります。
ここで登場するのが、アルダファーによる「ERG理論」です。
人間の欲求には、以下の3つがあります。
①生存欲求
②社会欲求
③自己欲求
これを見ると「マズローの欲求の5段階」を思い出す人がいるかも知れませんね!そうなんです、よく似てますが、アルダファーは3段階で表現しました。ちょっと説明しますね!
①生存欲求:生き続けたい、肉体的な快楽
例えば、生きるためにお金が欲しい、美味しいものを食べたい
②社会欲求:他人との関係性においてよく見られたい、思われたい
例えば、良いものをみせびらかしたい、ちやほやされたい
③自己欲求:他人とは無関係に自分のなかで完結する
例えば、もっと成長したい、自分の思う通りに生きたい
ようやく、あなたは理解が深まってきたのではありませんか?
僕も最初に読んだときには、このあたりで“なるほどね!”とガッテンしたのを思い出しました(笑)
まとめると、人間は…あなたや僕も…この3つの欲求を満たすために、お金を支払って何かを買うのですね!
爆発的に売れる商品は、この3つの欲求をすべて同時に満たしていることが多いそうです。この点も、なるほどそうですよね!
最後まで読んでいただき、どうも有り難うございました。
今日はマーケティングにおける4つの基礎的理論の「ベネフィット」について解説しました。タイトルの通り、このベネフィットを正確に説明できるようになれば、日常遣いもできて、あなたのビジネスが上手くいくこと間違いなしですね☆彡
それでは、また!Ciao☆彡
【読んで欲しい本】
・佐藤義典著『ドリルを売るには穴を売れ』