【マーケティング】あなたは差別化を正確に説明できますか?[marketing]Can you accurately explain the differentiation?

先日からマーケティングについて、『ドリルを売るには穴を売れ』を参考に話をさせていただいています。

『あなたはベネフィットを意識できていますか?』
『あなたはベネフィットを正確に説明できますか?』
『あなたはセグメンテーション&ターゲットを説明できますか?』

タイトルのようにマーケティングについて「4つの基本理念」を書いています。
よかったら続けて読んでいただけると嬉しいです!

今回は、具体的内容の続きとして、③差別化について一緒に勉強していきましょう。

4)具体的な内容(続き)

『ドリルを売るには穴を売れ』で学んだことは、前述した4つのポイントです。
これはマーケティングの基本的理論です。

①ベネフィット

②セグメンテーションとターゲティング

③差別化

④4P

もちろん、これらのことばは知っていましたが、実際の内容までは知りませんでした。しかし、このことを知らずにマーケティングの応用や実践はできません。知らないままガンガン進んでも、きっと壁にぶち当たり、ここに戻ってくることになります。

この4つの基礎理論から一緒に学びましょう!

一昨日は、①ベネフィットを学んで正しく説明できるようになったと思います。
昨日は、②セグメンテーションとターゲティングについて説明できるようになりました。

そして今日は、③差別化について一緒に学びましょう!

③差別化

顧客に商品を買ってもらうためには、競合他社ではなく自社の商品を選んでもらう必要があります。そのためには、ベネフィットを知り、セグメンテーションを行い、ターゲットを絞るだけでは難しいと言わざるを得ません。あなたの売りたい商品を選んでもらうためには、徹底的な “差別化” が必要になります。そのことをここでは説明します。

1)そもそも差別化とは何ですか?

ここまで、顧客にとっての価値である「ベネフィット」、顧客によってベネフィットが違うので「セグメンテーション」で分類して狙いをつける「ターゲット」という流れで説明してきました。これで、あなたが狙う顧客の求めるベネフィットを提供するための基本的な部分が整ったことになります。しかし、これでもあなたの商品が売れる保証はありません。なぜなら、競合他社もあなた同様、顧客の求めるベネフィットを提供しているからです。

だからこそ、あなたの商品を顧客に選択してもらうためには、競合他社との差別化が必要になってきます。それでは、そもそも「差別化」とはいったいどんなことなのでしょうか?

『ドリルを売るには穴を売れ』では、以下のように回答しています。

差別化とは、競合より高い価値を顧客に提供することです。

マーケティングとは顧客にとっての価値を提供し、顧客からその対価をいただくことです。しかし、市場には競合が存在するため、顧客にあなたの商品やサービスを買ってもらうためには、競合ではなく、あなたの商品を選んでもらう必要があります。このことは当然のことですが、なかなか難しい問題ですよね…

そこで差別化の本質ですが、あなたが「競合より高い価値」を顧客に提供することです。

つまり、「提供する価値の競合との差」が差別化と言うことになります。

具体的には、競合よりも「早い」「安い」「美味しい」「競合が持っていないノウハウ」などになります。これらを顧客にとっての高い価値を提供すれば、顧客は競合ではなく、あなたを選ぶことになります。

また、顧客の「気分」が求めている価値になることがあります。

例えば、外食するときの求める価値を考えると、以下のような「気分」があります。

「忙しいから早く済ませたい」
「給料日前だから安く済ませたい」
「雨が降っているので自宅から近いところで済ませたい」
「友人と会うのでゆっくり寛げるところに行きたい」
「仕事が片付いたので美味しいものをご褒美にしたい」
「わたしの個のみをよく知っている馴染みのあの店に行きたい」

これらを見ても明らかなように、顧客が求めているベネフィットは気分によって変化します。顧客の「価値」とか「ベネフィット」というと難しく聞こえますが、要するにどんな「気分」でどのように選ぶかという、あなたや誰もが日常生活の中で自然にやっていることが大事になってくるわけです。

このような「顧客にとっての価値」は大きく3つに分けることができ、それぞれに対応する3つの差別化戦略が存在します。

M. トレーシーとF. ウィアセーマが提唱した「企業が顧客に提供する価値の3つの分類」は、成功する企業が顧客に対する価値を創造する方法のことで、以下の通りです。

①製品リーダーシップ(Product Leader)
②卓越したオペレーション(Operation Excellence)
③顧客との親密さ(Customer Intimacy)

製品リーダーシップとは、たえず最新の製品・サービスを提供する価値基準のことです。この戦略をとる企業はイノベーション追求型で、常に新しい製品・サービスで高い価値を提供しつづけることにより競合他社が模倣しにくい状況をつくります。

卓越したオペレーションは、生産方法や販売方法の改善を目指すアプローチです。
例えば、日本企業であれば、「トヨタ生産方式」をもつトヨタやセブンイレブンジャパンなどがこの戦略をとる企業と考えられます。

顧客との親密さは、顧客ロイヤルティを築き上げることに焦点をあてた戦略で、高い顧客ロイヤルティにより、顧客との親密さを強化し、販売力を高めるとともに、顧客からのフィードバックを改善に活かすアプローチです。この場合は、顧客のもつ高いロイヤルティ自体が競合他社に対する優位性となり、他社ブランドへの乗換えが生じにくい状況を生み出すことになります。

また、これらの基本戦略のうち、どれを採用するかを考えるにあたっては、自社のミッション、ビジョンをきちんと定義することが必要であると同時に、自社をとりまく市場における競争環境を把握することも必要だと言われています。その際、業界分析や競争状況分析に有効なものには、マイケル・ポーターの「5つの競争要因モデル(5F、5 Force Model)」があります。

具体的に5つの要因とは、以下の通りです。

・業界内の競合他社との競争度合い
・買手の交渉力
・供給業者の交渉力
・新規参入者の脅威
・代替品の脅威

これらの要因の相対的な影響は業界構造やビジネスモデルの変化にともない変わり続けます。こうした変化する市場環境においていかに生き残るかの基本戦略が先にあげた3つの価値基準による戦略となります。

先に説明したM. トレーシーとF. ウィアセーマが提唱した「企業が顧客に提供する価値の3つの分類」をもとにして、著者の佐藤義典氏が作った3つの分類が以下の通りです。

①手軽軸
②商品軸
③密着軸

①手軽軸:手軽に済ませたいというベネフィットを求めている顧客を狙った差別化戦略のこと。例えば、ある程度の品質のものを安く、便利に提供することです。
②商品軸:とにかく良いものを求めている顧客を狙った差別化戦略のこと。例えば、最高品質の製品やサービスという売り物を主とします。
③密着軸:顧客に密着することで差別化すること。例えば、顧客に密着して徹底的に顧客のニーズにこたえることです。

2)どのようにこれらの軸を採用しますか?

このように3つの差別化戦略があることは理解できたが、それでは実際にはどのようにこれらを採用していくべきなのか悩みますよね!

著者の佐藤氏によると、どの差別化戦略を採用するかということは、マーケティングではもちろん、人事・組織など、経営全体にかかわる非常に重要な選択であるとしています。

また、一つの会社でこの3つの差別化戦略すべてを行うことは不可能と断言しているし、少なくとも長期的に3つの軸すべてにおいてトップでいることは無理だとしてます。

なぜなら、大量生産やチェーン化を志向する手軽軸と、贅の限りを尽くした商品軸とが、人や組織、仕入れ、顧客、などで相いれないことは、あなたや僕でも想像がつきますよね!

大企業でも人やモノ、カネのすべての経営資源は有限、中小企業においては、これらは貴重な資源なので、有効に使う必要があります。そのためには、差別化軸を絞り、どれかひとつでも必ず勝てる、という状態にすることが大事になります。

したがって、差別化を図る際には、通常はひとつに絞ることになります!

最悪なのは、3つすべてが中途半端な状態です。特長がない店は選ばれません。芸能人やタレントでも、いわゆる無難な人はたとえ美男美女でもあまり聞き残っていません。いろいろな意味で、特徴的な人、いわゆる「キャラが立っている人」が生き残ります。

要するに、会社にも「際立った個性」が重要であり、それが差別化の重要なポイントになります。もちろん、その「際立った個性」が、顧客にとって価値が高い時に選んでもらえることになります。

気を付けたいことは、ある軸に特化したとしても、他の軸でも平均以上の価値を提供しなければいけません。

例えば、どんなに安くて早くても(手軽軸)、味がひどい(商品軸)ラーメン屋には行かない。どんなにおいしくても(商品軸)、店員の態度が劣悪(密着軸)な店には行きたくない。

どの軸でも平均以上の価値を提供したうえで、ひとつかふたつの軸で差別化する必要がありますね!

3)最後の問題はどのように絞るかということ

では、差別化軸をどのように絞るかと言うこおとに関しては、いくつかの基準があります。その基準のひとつが「自社の強みを生かす」ということです。

同じように、自分の選ぶ差別化軸によっても絞るべきターゲットは決まります!

手軽軸を選んだ瞬間に、「早い、安い、便利」を好む顧客がターゲットになります。
密着軸を選んだ瞬間に、「自分のことを良く知り、密着してほしい、わがままを聞いてほしい」という顧客がターゲットになります。
商品軸を選んだ瞬間に、「最新技術、最高品質」を求める顧客がターゲットになります。

逆に言えば、差別化軸を選ぶときには、顧客の求める価値を考えて選ぶ必要があるということです。マーケティングの各要素は単独で存在するわけではなく、すべてが連動しています。このことをしっかり頭にたたき込んでおきましょう!


今日はマーケティングの基本理念のひとつ「差別化」について書かせてもらいました。
最後まで読んでいただき、どうも有り難うございました。

あなたにとって有益な情報であれば嬉しいです。明日は、基本理念の最後になる「4P」について書きますね。
それでは、また!Ciao☆彡

【参考・引用書籍】
・佐藤義典著ドリルを売るには穴を売れ

投稿者: コージーニ先生

リハビリテーションセラピストです。現在までに約15万人の患者、その家族及び学生と保護者とかかわりを持ってきました。その経験から患者とその家族&子どもたちと学生たちとの人生に寄り添って感じたこと、学んだことの中から「過去の僕」に知っておいてほしいコト&「未来のみんな」に伝えたいことを呟きます。 著作や詳しい活動履歴はこちら→ https://kojini'sblog.com/about

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