【問題解決】ミッションコーン(Mission Cone)を授業で学生たちに伝えてみた!-『ミッションからはじめよう!』

ある科目で「理念」ということばが出てきたので、正規の内容から一気に飛び出して、僕が普段から使っている「ミッションコーン」について学生たちに伝えてみた。僕の授業はいつもこんな感じでぶっ飛んでいるけど(笑)学生の瞳は輝いてたよ☆彡

授業に関して言っておくと、学生たちは予習してきているし、教科書は読めば理解できるので、教科書には書いていない、学生たちはきっと初めて聞くだろう、「?」となるような話題を提供していると言った方が正しいかも知れない。

ちなみに、教科書は読めば理解できると書いたが、僕が授業に採用しいる書籍は、多くの類似本から厳選しているものなので、読めば理解できると書かせてもらった。実際には、読むだけでは理解できない書籍が増えている(最近は、猫も杓子も出版して節操がない…泣)ので、ある意味ひどい話だと思うが、内容を吟味できる僕らが学生のために厳選するのは必要なことだと思う。

それはなぜか?

読んで理解できる教科書であれば、僕は授業でその教科書以外の話しができることが良い☆例えば、臨床に即した話しとか、基本から一気に応用する話しとか、はたまた、教科書にはこういう風に書いてはあるけど、実際にはね?というきわどい話しとか、そんな話がしたいと日頃から思考してプラン立てて授業に挑むので、突然ぽいけど実は仕込みは万全なんですよね!でも、学生たちも慣れっこになり、ちょっと刺激が少なくなりつつあるかも(笑)

話しが横道に逸れたけど、それではここから本題の「ミッションコーン」のお話しに!
ちなみに、参考及び引用した『ミッションからはじめよう!』の著者・並木裕太氏は、元マッキンゼー史上最年少役員になった人物です!すっごいよね☆彡

<目次>
1.ミッションコーンとは?
2.ミッションコーンの作り方
3.ミッションコーンの活用事例
4.ミッションコーンのリハビリテーションでの応用
5.まとめ


1.ミッションコーンとは?




ミッションコーンとは、現在の強みや実績である「エビデンス」エビデンスに支えられて提供できる価値である「ベネフィット(機能的と感情的の2つ)」ベネフィットに支えられて最終的に目指したい姿である「ミッション」の3層からなるピラミッド型の概念図です(図参照)。
 


 

それぞれの定義を見てみましょう(上図参照)。
Mission(ミッション)は「理念・目標」で、目指す姿や提供する価値を定義したものになります。
伝わりやすく、わかりやすい一言にまとめるのがポイントです。

Benefit(ベネフィット)は「価値」で2つに分けています。ひとつが「機能的ベネフィット」で、組織が実利として提供できる価値であり、他のひとつが「感情的ベネフィット」で、目に見えない心理的に得られる価値です。
誰に、どんな価値を提供するのかを記載します。

Evidence(エビデンス)は「証拠・根拠」で、客観的にわかる事実や根拠となるものです。
現在の強みや実績、そして今後強みとすべきものを記載します。

2.ミッションコーンの作成

ミッションコーン作成の際は、すべてのベースとなるエビデンスを挙げるところからスタートします。組織としての強みや過去の実績を洗い出し、その中でも客観的・具体的な事実をエビデンスとして設定するようにしましょう。

次に、このエビデンスに支えられて提供できる価値である「ベネフィット」を明確にします。先ほど説明したように「機能的」と「感情的」なベネフィットを書くことになります。
これだけでは、なかなか理解できないと思うので、あなたの大好きなものを想像してください。女性であればちょっと欲しいなと思っていて、遂に購入し現在使っているものです。

例えば、あなたはヴィトンが大好きで遂に欲しかったバッグを手に入れたとしましょう。
このバッグが提供する機能的ベネフィットは「物を入れて持ち運べる」ことです。一方、感情的ベネフィットは「リッチな気分」「ハイソな気分」「いい気分」になれることですね。こんな感じをイメージすると理解しやすいかな!

エビデンスによってベネフィットが明らかになれば、最終的にはこのベネフィットを提供できている状態を表現することばを探すことになります。どういったものになるのかを「言語化」したものが「ミッション」になります。次の項で実例を紹介します。

3.ミッションコーンの活用事例

ここでは、昨日授業で使った内容で説明していきますね…皆さんも僕の授業を受けている感覚で読んでください(笑)

授業では以下のような設定をしています。

まず、エビデンスの設定です。
エビデンス A:良質で多品種のコーヒーを提供できる!(バリスタ)
エビデンス B:徹底した雰囲気を演出できる!(BGM・ソファー)
エビデンス C:ストーリー性のあるシンボル!
エビデンス D:徹底した従業員の教育!

次に、ベネフィットです。
機能的ベネフィット:家庭でも職場でも学校でもない場所で、ゆっくり自分らしく過ごすことができる!
感情的ベネフィット:かけがえのない1日が豊かになる!

なんかいい感じのエビデンスに支えられたベネフィットだと思いませんか?
この時点ですでに「きっと、あの企業じゃない」と想像できたあなたはスゴイです☆彡

これらに支えられて、最終的にはミッションです。
ミッション:都会的なトレンドに敏感なお客様に3rd Place「第3の場所」を提供する!

どうですか?ここまでくればわかりますよね!そうです「スターバックス」です☆彡
 



 
おまけでもうひとつ紹介しますね!これも昨日の授業でプレゼンしました。
下図の企業はどこなのかわかりますか?回答はこの記事最後に書きますね(笑)
 


 

4.ミッションコーンのリハビリテーションでの応用

このミッションコーンを学生たちに説明したのは、はじめににも書いた通り「授業に理念がでてきた」からですが、その裏に隠して学生たちに言いたかったのは何だかわかりますか?

僕はリハビリテーション・セラピスト養成校の教員なので、学生は100%理学療法士になります。これまでは、そうでした。他の大学等では「学士」のライセンスをとるだけのために入学し卒業していいく者もいるようです。多様化の時代には、そのような者への対応も必要となると考えて以前から情報を収集してきました。

昨年まではそうでもありませんでしたが、「with corona」の時代にあって、人と接触するセラピストという仕事も変化、変革の時を迎え、学生たちにはそのような対応も必要なことを認識させなければなりません。ようやく、僕の出番が来たかなって感じです(笑)

と言うことで、この項のタイトルにもなっている「リハビリテーションでの応用」について書いてみたいと思います。しばらくの間、お付き合いください。

例えば、ここでは僕「理学療法士・コージーニ先生」のことを書きます。

まずは、エビデンスです。理学療法士はどのような個人的な強みや組織としての強み、過去の実績を洗い出し、その中でも客観的・具体的な事実をエビデンスとしてみます。

エビデンス:
・臨床で14年、教育で18年、合計32年の経験
・臨床在籍中は、不滅の月間患者数「765名(延べ人数)」達成
・関わった患者総数、約13万人(延べ人数)
・治療訓練した疾患多数(専門は“脳のリハビリテーション”)
・教育では、約800名の卒業生を排出

まだまだ思考すればたくさん出てきますが、一応これくらいにしておきます。
次にベネフィットですね。

機能的ベネフィット
・患者の改善・回復に寄与する
・患者とともにリハビリテーションする
・患者及び家族からの信頼が厚い
・学生及び保護者からの信頼が厚い

感情的ベネフィット
・コージーニ先生に診てもらえると治る気がする
・臨床の世界に影響力を持てる気がする
・コージーニ先生に教えてもらうと理解できる
・教育の世界に影響力を持てる気がする

ミッション
・患者と家族、学生と保護者を笑顔にすることで、気持ち豊かに暮らす人を増やす!
 


 

5.まとめ

「ミッションコーン」について解説させていただきました。ミッションと聞くと、企業のものと考えがちですが、企業だけではなく、部門や部署でも持っておくことの重要性を感じています。実際僕は、リハビリテーション・セラピスト養成校の学科の長をさせてもらっています。学科長になったからというわけではなく、もともとこのような方向(ビジネス等)が好きだったことも手伝って、以前からベクトルが向かい、アンテナを張っていたという感じです。

学科としての、特に僕が考えるミッションやそれを支えるベネフィット、エビデンスの設定はそう難しくはありませんでしたが、企業体と学科の中間に位置する人たちのミッション等がわからないのは少し困りました。この点は、僕のミッションを上部に拡張することで、時間はかかりましたが乗り越えることができました。

今回は学生への授業中に出てきた「理念」ということばからの展開でしたが、そのことをみなさんに情報公開できて良かったなと感じています。改めて、「コージーニ先生」としての立ち位置が確認できました。良かったぁ☆彡

「ミッションコーン」を作成することで、企業体の上位の視点まで自分を引き上げることができます。ひとりで思考をめぐらせても興味深いと思いますが、部署の誰かと、あるいはみんなで考えると別の視点や新しいアイデアに巡り合うことになり、相乗効果もありますよ!上司にも意見を求めたり、同僚や部下となるメンバーたちとも一緒に考えながらつくつくっていけばチームワークも強化されますよ!

このようなプロセスを経ることで、リーダーの条件のである「ゴールを描く」という要素を満たしていくことにもなります。そして、次なる真のリーダーの発掘にもつながる大切なプロセスだと考えています。


今日も最後まで読んでいただき、どうも有り難うございました。
この情報があなたにとって有益であれば、ますます嬉しいです。
それでは、また!Ciao☆彡

【参考・引用】
・並木 裕太『ミッションからはじめよう!』ディスカヴァー・トゥエンティワン
・ケン・ブランチャード『ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか』ダイヤモンド社

投稿者: コージーニ先生

リハビリテーションセラピストです。現在までに約15万人の患者、その家族及び学生と保護者とかかわりを持ってきました。その経験から患者とその家族&子どもたちと学生たちとの人生に寄り添って感じたこと、学んだことの中から「過去の僕」に知っておいてほしいコト&「未来のみんな」に伝えたいことを呟きます。 著作や詳しい活動履歴はこちら→ https://kojini'sblog.com/about

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