【社会】「イノベーション」と「リノベーション」

昨日、僕は「イノベーション」と「リノベーション」についてtweetしました。

今朝はこのtweetを少し深堀して説明しますね!
イノベーションやリノベーションは、最近では頻繁に聞くけれど、
さて「説明してみてよ?」って問われると
前者は「新しいものを作る」
後者は「あるものを快適なように改造する」
くらいにしか回答できない僕がいたので調べてみました!

そんな中、高岡浩三氏(元ネスレ日本社長)の動画を発見!
端的に説明してくれていたので、みんなにシェアします。
【NewsPicks MOOC】高岡 浩三「イノベーション・マネジメント」(第1話無料公開)

この動画の中で高岡氏は、冒頭「イノベーション」と「リノベーション」の違いについて以下のように切り出した。

“イノベーションとは何かを考えると、この問いに答えられる人は(ほとんど)いない。世界的なマーケティングの権威であるコトラー教授に聞いてみたが明解なな回答は得られなかった。それ故に、自分自身で考えていかないと、「21世紀はイノベーションの時代だ」と言われながらも、なかなか、皆「イノベーション」を起こせていない”
(注釈)ここに登場するコトラー教授とは、言わずと知れた『近代マーケティングの父』と呼ばれた「フィリップ・コトラー氏」のことです。

そこで高岡氏は、自ら「イノベーション」と「リノベーション」の違いを思考し、結論に至ったのだそうです。氏曰く、

“(これらは)「顧客の問題」と非常に関わっている” 

そもそも「顧客の問題」には2通りあります。
① 顧客がわかっていない問題
② 顧客がわかっている問題

どういうことか説明します。
① 「顧客がわかっていない問題」とは、「顧客が諦めている問題」「解決できるわけがない」と思い込んでいる問題であり、そのことを捉えてそれを解決したときのみにできることが「イノベーション」である。

② 「顧客がわかっている問題」とは、「ここをこんな風に変えると便利」とか、「動力を強化すると早い」とか、顧客のニーズを解決したものは、「リノベーション」であり「イノベーション」ではない。

これら「イノベーション」と「リノベーション」のことを、「部屋の中の温度が暑い、不快だ」という問題を解決することになぞらえて話をすすめてくれている。

“「部屋の中の温度が暑い、不快だ」という問題を、人類の長い歴史の中で解決してきた。その「イノベーション」は、実は3つしかない!

先ほど、「人類は長い歴史の中で解決してきた」と書きましたが、この「暑い」という暑さ対策のために、上図のようなイノベーションとリノベーションを成し遂げてきました。高岡氏の説明は以下の通りです。

“何千年もの間(使われてきた)「うちわ」と「扇子」しかない…形は違えど…。20世紀初頭にエジソンが電気を発明して、そして石油が発見されてから、第2次産業革命が起こる。このときに、アメリカで「扇風機」が開発された。この時代に市場調査があったとしても、お客さんは誰も「扇風機を作ってくれ」とは言わない。

(それはどうしてか?)これは「顧客が諦めていた問題」ですから。

それから数十年後、「この空気中の湿気が問題だ」と思った人が出てくる。これも当時、消費者調査があったとしても、「エアコンを作ってください」と言う人は誰もいなかった。

これも「顧客が諦めている問題」の解決になった。

したがって、長い間「うちわ」と「扇子」でしか解決ができなかった「涼をとる問題」について、「扇風機」そして「エアコン」で取り替えられている。この3つのイノベーションしかありません

また、氏は「リノベーション」については以下のように説明しています。

“実は、今もって「扇風機」や「エアコン」の「リノベーション」、すなわち「顧客のわかっている問題」の解決は、引き続きずっと開発は行われ続けている。すなわち(これらは)市場調査で出てくる問題です。

初めての「扇風機」を手にした人は、「(もっと)いろんな風の強さが欲しいからボタンを作ってくれ」とか、あるいは、「(扇風機を)つけたまま寝たら風邪を引きました」だから「タイマーを付けてください」と言ってくる。「エアコン」もいろんな機能が今も開発されている。

これらはすべて(私は)「リノベーション」と呼んでいる”

僕的に換言すれば、「思いもしないまったく新しい発想で問題を解決すること」が「イノベーション」であり、「あ~そういう手があったか…先にやられた」と考えるのが「リノベーション」だなって思いました。

高岡氏はこの動画の最後を以下のようなことばで締めくくっています。

“20世紀の終わりくらいになって、「リノベーション」では解決する問題がなくなってきたので、なかなか売り上げと利益が増えない。

だから、21世紀はインターネットを使った、新しい「顧客の問題」を解決することにのみ、 「イノベーション」が起こる時代になったことを、是非皆さんに理解していただきたい”

なるほど、確かにそうなんだと感じる世界に生きてますよね!この20年くらいで、便利モノが世の中にあふれ、僕らはそれらを手にし、「これスゴイ」とか、「ここのところをもう少しこう変える」とか、実際に言っていたような…これらは、市場調査によって「消費者の声」として届けられ「リノベーション」が起きた。そんな中でも、新しい発想で、あるいはよく言う「発想の転換」で何かに気づき「イノベーション」できる人が現れてきた。

今後は、どの業界もインターネットを使った「新しい顧客問題」に取り組まないといけないですね!僕のたたずむ業界でも、大きな変革に誘ってみるかな☆彡

今日は、「イノベーション」と「リノベーション」について書いてみました!
あなたにとって、有益な情報であれば嬉しいです。
最後までよんでいただき、どうも有り難うございました。

【参考書籍】高岡浩三✖コトラー
・高岡浩三、フィリップ・コトラー:マーケティングのすゝめ (中公新書ラクレ 567) 2016
・高岡浩三、フィリップ・コトラー:コトラーの「予測不能時代」のマネジメント(東洋経済新報社)2018
・高岡浩三:ゲームのルールを変えろ(ダイヤモンド社)2013
・高岡浩三:世界基準の働き方 海外勤務を拒み続けた私が超巨大グローバル企業の幹部になれた理由(PHP研究所)2017

投稿者: コージーニ先生

リハビリテーションセラピストです。現在までに約15万人の患者、その家族及び学生と保護者とかかわりを持ってきました。その経験から患者とその家族&子どもたちと学生たちとの人生に寄り添って感じたこと、学んだことの中から「過去の僕」に知っておいてほしいコト&「未来のみんな」に伝えたいことを呟きます。 著作や詳しい活動履歴はこちら→ https://kojini'sblog.com/about

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