先日、(一社)認知神経リハビリテーション学会の第1回NCR-Online 「認知の時間」に参加し、以下のようなtweetをしました。
今日は、このtweetの詳細、つまり園田先生が話した内容についてまとめますね!
認知神経リハビリテーションを一言で説明するのは至難の業ですが、
園田先生がスッキリ説明してくれてます。
第1回のタイトルは「リハビリテーション場面のゲシュタルト」
話題①「“認知”と“神経”とリハビリテーション」で園田先生が登壇!
話題②「ある訓練について考える」は会長宮本先生が登壇しました。
今回は話題①をまとめます!
提案は、認知神経リハビリテーションの「名詞の構造」を理解することが、説明するために必要だと言及しています。
少々、長くなることが予想されるので、今日は「認知」の説明について書きます!
ひを改めて、「神経」と「リハビリテーション」については書かせてもらいます。
冒頭、園田先生は以下のように切り出した!
”壮大なイントロダクションとして、最も基本的で、最も大事な部分を話したい”
”よく困ることに、「認知神経リハビリテーションとは何か?」と言うような、どんなものだとかはなかなか一言では表現しにくい。一言で表現するのは確かに難しいが、「認知神経リハビリテーション」ということばというか、名詞の構造を理解すると、認知神経リハビリテーションとはこういうものだということが説明できます”
ここ数年、僕自身もあらゆる事象について、「構造と機能」から思考するようにしているので、このオープニングでの「名詞の構造」には注目したんだ!
ちなみに、認知神経リハビリテーションで使用する認知は通常の認知とはニュアンスが違います。一般的には、「認知とは知ることである」と言われています。
“認知とは知ることであると言うのが、すごく重要で、認知とは知ることであるという表現を使うと、何か知覚の延長と言うか、何となく知覚に意味づけをすることなのかと思うわけです。しかし、もう少し考えないといけない”
もう少し考えないといけない!と深く思考することを求められた。認知ってそんな簡単なものじゃないんだよって言ってくれてる!ここポイントだよね!
じゃあ、どう思考するのかというと…「知るすべを考えよう」と言及してくれた!
“知ることであると言ったときの知るすべは何かと考えなくてはいけない。そうすると、自分たちは、あらゆる視覚、聴覚、体性感覚あるいは内受容感覚等、このような体の感覚を通してしか何かを知るすべはありません”
これが、「身体化された認知」ですね!
生物学者・認知科学者であり、オートポイエーシス理論の提唱者Francisco Javier Varela Garcia(1946-2001)は「embodied cognition」として認知を位置づけています。
“「embodied cognitionというのは何なのか?」というと、一言で言うなら「一人称」です。つまり「認知とは一人称」を指しています”
きたっ!きたっ!「一人称」
認知神経リハビリテーションをやってる僕としては、いちばん大切にしているところ!
2002年に渡伊して、Perfetti先生、FrancaやCarlaと出会い、学んだことはこれなんだ!
当時は「認知運動療法」と言っていたけれど、Perfettiや彼女らの日常の会話や朝の勉強会では、既に「認知神経リハビリテーション」に向かっていたし、何と言っても、その年のイタリア認知の学会テーマは「VIVERE LA CONOSCENZA(認知を生きる)」だったし、帰国後僕が学会長を務めさせてもらった日本認知の第4回学会のテーマは「患者の身体の声を聴け!」にした経緯があるよ!あ~懐かしい!
“embodied cognitionというのは、意識であるとか、あるいは言語であるとか、そう言った、言葉は少し難しいかもしれませんが、「脳の創発物」、無形のものです。脳の創発物としての意識あるいは言語、脳を取り出して、どれだけ探しても意識は出てきません。世界中の科学者が探しても、今のところこれが意識だとして「もの」として取り出したことはありません。言葉として取り出したこともありません”
”すなわち、脳の創発物、つまり「機能として生み出されたもの」、これが「一人称」です”
園田先生は、「認知」の名詞の構造について以下のように締めくくったよ!
”ある私が感じている体の感覚と言うのは、何かに、(あるいは)ものにすることができません。これは脳の機能として創発された、emergenceされたものであるという表現をします。そうすると、この認知がさしているもの、すなわち、意識や言語のような脳の創発物、一言で言い表すのであれば「認知は一人称」のことであると考えてください!”
みなさん、ここまでの「認知」についての説明文章を読んで、認知神経リハビリテーションについて、スッキリしたという、そんな感覚をもちませんか!
Perfetti先生の思想は、「隣に認知神経リハビリテーション以上に患者を回復・改善させうる治療方法が出てきたら、私は間違いなくすぐにそちらに鞍替えする!」ということですよ。今も患者の回復のために思考を止めず、考え続けているPerfetti先生に敬服するとともに、進化を続けている認知神経リハビリテーションについては、僕たちも何かの提案ができるよう思考し続けていかなくてはいけませんね!
終わりのような文章になっていますが、今後続きの「神経」と「リハビリテーション」の説明についてアップしますので、よろしくお願いします。
今日も最後まで読んでいただき、有り難うございました。