【思考法】僕の授業はすべて『マインドマップ』①

この10数年、僕の授業は…と言うより、思考のほとんどが…『マインドマップ』で構成してます。たとえ、紙に描いたりしなくても、僕の脳内では思考の “枝(ブランチ)” が四方八方に伸びていくのを感覚できてますよ!

だから、「セントラル・イメージ」が決まったら、概ね仕事のゴールは決定しているようなもので、どれくらいの時間になるのかをチャチャっと脳内で計算して、教えなくちゃいけないことをブランチにしていくだけ!超簡単だよ☆彡

と言うことで、今日は僕の思考法『マインド・マップ』について解説しますね!


<目次>
1.マインド・マップとは?
2.マインド・マップの描き方
3.マインド・マップの活用事例
4.マインド・マップの授業での応用
5.まとめ

1.マインド・マップとは?

「マインドマップ®」とは、頭の働きを活性化してくれるノート法です。

マインドマップ(mind map, mindmap)とは、イギリス人教育者トニー・ブザン(Tony Buzan)が提唱する、思考の表現方法である。頭の中で考えていることを脳内に近い形に描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくするもの。ブザンが、40年以上前に考案し、世界中で使われるようになりました。日本でもここ10数年前から、関連書籍が多数出版されており、ビジネスパーソンや教育関係者を中心に注目を集めています。

ちなみに、MIND MAPSはブザン・オーガナイゼイション・リミテッドの登録商標ですので、取り扱いにはご注意くださいね!

1-1. 脳内の見える化-私たちの脳内の表現

私たちの頭は、健全な状態であれば、「連想」を止めることなく続けます。しかし、連想は、初めから整理されているわけでありません。

例えば、このBLOGを書く順序をどのようにしようかと考えているとしましょう。僕の脳内では、以下のようなことが起きています!これを言語化することが「見える化」です。

最初に、中心にくる「セントラル・イメージ」を思い描きます。そして、それを中心にして、そう言えば、いつもはどのように描いているのかを思い出し、このマインドマップの紹介であれば、最初の説明は全体的なこと「マインドマップとは?」で、次に「描き方」かな…描き方を説明できたら、きっとみんなはどのようなものが描けたのかを見たいだろうから実際の「活用事例」が来るべきだよね…しかし、「マインドマップとは?」をあまり書きすぎると「描き方」に被って来るから、ここは調整しないといけないな…

このように、僕らの脳内では、ひとつの物事から、連想し始め、さまざまな方向へとブランチ(僕は神経回路だと考えていますが)を延ばしていきます。時には、当初イメージしていたものとは違ったものに出来上がるかも知れませんが、それが僕らの脳内で起こる不思議な力だと考えています。もちろん、その思考を制御(コントロール)するのも脳なんですが…

1-2. 脳内の見える化することで起きること

何か一つのこと…1日の中でやることはたくさんありますよね。例えば、仕事のプロジェクト、子どもの進学、コロナ対策、等…を考えるとき、あるときは上手くいったり、またあるときは上手くいかなかったりしますよね!僕らの脳内にはこれまでの経験や記憶からさまざまなことが思い浮かび、整理がつかなかったりするからです。これをブザンは、「私たちの脳の持つ性質を上手く活用できていないからだ」と述べています。

そこで、1-1. での脳内の「見える化」です。脳内で起きていることを「見える化」できたらどうでしょうか?

子どもの進学の事に思考が変化してしまっても、いつでも仕事のプロジェクトに戻ってこれます。それでいて、プロジェクトを考えながらも、また、子どもの進学のことを考えることもできるようになります…失念しなければ!

だから、失念しないためにも、毎朝サクサクとマップを描いてみるのもいいですね!僕は合わせて「ポモドーロ・テクニック」も使っています。こちらは、以前のBLOGを参照いただければ詳しく説明しています。

マインドマップは、これらのことから、さまざまな方向に広がる脳内の「連想」、つまり思考プロセスを、そのままノートの上に「見える化」したノート法と呼ばれているわけです。マインドマップを使うことで、脳内で起きていることが「見える化」されるため、考えること、その順序だて等が楽になっていきますよ!

2.マインド・マップの描き方

描き方は、表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを中央に置き(セントラル・イメージ)、そこから放射状にキーワードやイメージを広げ、つなげていきます。
思考を整理し、発想を豊かにし、記憶力を高めるために、想像 (imagination)連想 (association) を用いて思考を展開していきます。

この方法によって複雑な概念もコンパクトに表現でき、非常に早く理解できるとされています。

人間の脳の「意味ネットワーク」と呼ばれる意味記憶の構造(アラン・M・コリンズ(英語版)、M・ロス・キリアン〈M. Ross Quillian〉ら)によく適合しているので理解や記憶がしやすいと考えられています。

しばしば「図解表現技法」や「ノート術」などと紹介されることがありますが、適切ではありません。開発者のトニー・ブザンは、脳科学や心理学の知見から、マインドマップを通してメンタルリテラシーの重要性を提唱しています。この点が非常に重要です。
メンタルリテラシーとは、簡単に言えば頭の使い方であり、学び方を学ぶ力や、学んだことを活用する力を指します。

また、本来は紙とペンで描くものですが、コンピュータ上で描くための専用ソフトウェアもたくさんあります(最後に紹介しています)。

2-1. 守るべき「6つの法則」

この法則は、マインドマップの良さを最大限に発揮するために考えられたものです。マインドマップを使う時の指針として守るべきでしょう。

また、「なぜこのような法則があるのか?」を理解することで、その大切さがより深く分かり、また応用方法も考えることができるようになるので紹介しておきます。

2-1-1. 法則1:用紙
2-1-2. 法則2:線
2-1-3. 法則3:言葉
2-1-4. 法則4:イメージ
2-1-5. 法則5:カラー
2-1-6. 法則6:構造


2-1-1. 法則1:用紙

2.1-1-1. 用紙は「無地」
マインドマップを描く時には、用紙の選び方があります。罫線のない無地の用紙を、横長に置いて使うようにします。

僕はたいていA4版を使いますが、少し壮大なプロジェクトなどのときには、あらかじめA3版を使ったりします。もちろん、日々の思考の見える化のために手帳サイズのものを使い簡単に書くこともあります。

なぜ無地なのか?罫線があるといけないのか?という質問を良く受けます。

罫線があると無意識のうちに罫線の影響を受けてしまい、思考の自由度(脳内の連想の自由さ)を低下させてしまうからです。以下のような報告があります。

-罫線のある用紙を使ってアイデア出しのブレインストーミングをしたところ、罫線の数分 だけアイデアを出したところで思考がストップしてしまった。

2-1-1-2. 用紙の向きは「横」
マインドマップを描く時には、用紙は横向きで使用します。これは、基本的に横書きだからです。

もともと、イギリス発祥で英語だったこと、そしてこの後に説明する「線」が「言葉」に対しアンダーラインの役目も持っているからという理由もあります。
例えば、ブザンの描いたマインドマップを見てください。何を感じますか?


これは、ブザン氏が『メガトレンド(ジョン・ネイスピッツ著)』の内容をまとめたものですが、「線」と「言葉」が一体化しています。

このように描く(書く)ためにも、あるいは一体化して視覚に訴えやすくするためにも、基本的に横書きを推奨しています。

2-1-2. 法則2:線
マインドマップには、中心の「セントラルイメージ」から放射状にたくさんの線が伸ばされています。この線のことを「ブランチ (枝)」と呼びます。まるで木の枝のように、ブランチ同士はつながり、外に向かって分岐していきます。

僕は、このブランチのことを「ニューロン(神経)」と呼んでいます!

2-1-2-1. ブランチ(ニューロン)のつながりは「関連づけ」
マインドマップのブランチ(ニューロン)は、「関連づけ」でつながっています。

この関連づけは、ロジックツリーのように階層と分類を正確に表したものではありません。このつながりは、ゆるやかで自由なものです。また、脳が行っている連想の連なり、イメージ的には正に「ニューロン」です。
本来、脳の連想は、関連性はあるものの、論理的な階層や分類になっていないものがほとんどなので、その連想をそのままにブランチに表現(言語化)することになります。

2-1-2-2. ブランチは「メイン」と「サブ」の2種類
セントラルイメージから直接伸びている第1階層目の太いブランチのことを「メイン・ブランチ」と呼びます。いくつかのメイン・ブランチは、それぞれ色を変えることをオススメします。

これに対して、第2階層目以降のブランチを「サブ・ブランチ」と呼びます。

メイン・ブランチは、記憶しやすい数として、6~7本までが良いとされていますが、特に数の決まりはありません。メイン・ブランチは、マインドマップの中の「まとまり」を表しています。このまとまり毎に、同じ色を使うと「塊」として認識しやすいと考えています。

サブ・ブランチは、メイン・ブランチにつなげる形で伸ばしていきます。1本のブランチの先端からいくつに(複数)分岐しても構いませんが、必ずブランチの先端から分岐させるということを守りましょう。ブランチの途中から分岐させてしまうと、どこまでが1本のブランチなのか分かりづらくなってしまうので、この点は要注意です。

また、基本的に、ブランチは中央から放射状に広がっていますが。よく見ると、時々、複数のブランチが、1本のブランチにまとまったり、いくつかのブランチを収束させたりしています。この点も要注意ですが、これも脳が成せる “技” ということでしょうか。

2-1-2-3. ブランチは直線ではなく「曲線」
セミナー等では以下のように説明していますが、僕としてはこの表現は少々微妙です。

“自然界のものは、すべて曲線であると思いませんか?例えば、まっすぐに伸びているように見える水平線も、実はぐるっと360度の円状になっており曲線です。ゴツゴツした木の枝も、よく見ると曲線です。自然界のもの、有機的なものというのは、すべて曲線でできているのですね。”

もしかしたら、ブザン氏の本(英語版)に、このような表現があるのかも知れませんが、僕はきちんと読んでいないのでわかりません。
しかし、自然界には極めて直線的なものもまったくなくはないのではと考えます。

ちょっとモヤモヤしたので調べてみました。【追記】として後述します。

先の文中の「自然界のもの、有機的なものというのは、すべて曲線でできている」とぴう文章が鍵になりそうです。

ブランチが「曲線」であるというのは、脳が普段触れている自然に近い状態ということでもあります。マインドマップのブランチを描くときも、脳に自然な形である有機的な曲線で描くことが推奨されています。

最近のソフトやアプリケーションには一部直線的なものもあります。せっかくなら、この考えに則り、「曲線」使いのものを選択してもらえると有り難いです。
今までは、定規を使って無機的な「直線」を引くことに慣れている方も多いとは思います。
マインドマップの学校」では「曲線」のメリットを以下のように伝えています。

  • さまざまな方向に伸ばせるので、スペースを有効活用できる。
  • 柔軟で自由な印象を感じさせる。
  • 美しい。
  • 絵的なので記憶に残る。
  • くねらせ方次第で個性が出せ、目立たせることもできる。

と言うことで、あなたがマインドマップを描くときには、フリーハンドで「曲線」を描いてみましょう。ここにもあなたの「線の個性」があらわれること間違いないですよ!


ちょっと長くなったので、今日はこの辺で終わります。
続きは、明日かかせてもらいます。


今日も最後まで読んでいただき、どうも有り難うございました。
あなたにとって有益な情報であれば、ますます嬉しいです。
それでは、また!Ciao☆彡


※自然界のもの、有機的なものというのは、すべて曲線でできている
【追記1】
(自然界に)直線のものがないかと言うと、少ないとは思いますが、ないとも言えません。光などの軌跡は直線です。結晶はきれいな直線や平面を作る場合があります。
ではまず線というものの性質を考えてみましょう。
線は基本的に全て曲線です。直線は曲率0の曲線です。言い換えると直線は曲がってない曲線です。そう考えるとどこかしら曲がっているのが普通なのにそれがまったくないレアな線が直線と言えます。
実際先ほど直線の例で出した光ですが、実際は光もグニャグニャ曲がっています。その曲がる原因は重力です。光は重力によって曲がった空間をその空間に沿って飛びますので、空間が曲がれば曲がります。弱い重力でも空間は曲がりますから、実際は地球のそばの光もほんのチョット曲がっているでしょうし、太陽のそばだったらそれも大きくなるでしょう。そうやって光は実はまっすぐと言いますが、曲がっています。
となると直線なんかないじゃんということになりますが、光も弱い重力では分かるほど曲がりませんし、純粋な結晶だとほぼ直線と言っていいきれいな結晶になります。
と言うことで、直線は非常にレアな曲線なのでほとんど見かけることはないですが、時折自然の中でも直線なものがあるということです。

【追記2】
3次元的に考えると、宇宙の根本原理に則しているのは球だと思います。星や卵、無重力状態での水など様々な物が球の形をとろうとします。自己自身の引力や、表面張力など諸力が均衡する地点が球だからです。
多くの種類の生物も、形をできるだけ球に近づける努力をしているようです。球に近いほど体重当たりの体表面積を少なくすることができます。体温の温存などに有利と思われます。立体構造に直線や平面が出てくると角ができます。
人間の世界でも角が立つことは嫌われ、もっと丸くなるようにと言われますが、自然界でも角は次第に削れて丸くなるように運命づけられているようです。
山の清流の石はごつごつしていますが、河口につく頃には丸くなります。他の石とぶつかるとき、角が一番ぶつかりやすく、削られやすいのは簡単に理解できます。
角を伴う直線や平面という構造があったとしても、時間によって曲線や曲面、究極的には球へと近づいていきます。

【参考・引用】
・Tony Buzan, Barry Buzan (1 March 1996) (英語). The Mind Map Book: How to Use Radiant Thinking to Maximize Your Brain’s Untapped Potential (reprint ed.). New York City
・和訳書1:トニー・ブザン、バリー・ブザン『人生に奇跡を起こすノート術─マインド・マップ放射思考』田中孝顕訳、きこ書房、2000年4月20日(原著1996年3月1日)
・和訳書2:トニー・ブザン、バリー・ブザン『ザ・マインドマップ─脳の無限の可能性を引き出す技術』近田美季子訳、ダイヤモンド社、2013年2月16日(原著1996年3月1日)

【ソフトウェア】
iMindMap : トニー・ブザン監修のもと、ブザンの提唱するマインドマップのルールに忠実に従ったマインドマップが作成できるとしている。唯一の公認ソフトウェアでもある。
・MindManager
XMind – 香港のXMind社が開発しているオープンソースのマインドマップが作成できるソフトウェア。Share機能を利用してウェブ上で公開・共有もできる。

【ウェブアプリケーション】※マインドマップが作成できるウェブアプリケーション
MindMeister -世界で1000万ユーザーが利用、日本語も対応

投稿者: コージーニ先生

リハビリテーションセラピストです。現在までに約15万人の患者、その家族及び学生と保護者とかかわりを持ってきました。その経験から患者とその家族&子どもたちと学生たちとの人生に寄り添って感じたこと、学んだことの中から「過去の僕」に知っておいてほしいコト&「未来のみんな」に伝えたいことを呟きます。 著作や詳しい活動履歴はこちら→ https://kojini'sblog.com/about

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