【マーケティング】あなたは「4P」を正しく説明できますか?[marketing]Can you explain “4P” correctly?

先日からマーケティングについて、『ドリルを売るには穴を売れ』を参考に話をさせていただいています。

『あなたはベネフィットを意識できていますか?』
『あなたはベネフィットを正確に説明できますか?』
『あなたはセグメンテーション&ターゲットを説明できますか?』
『あなたは差別化を正確に説明できますか?』

タイトルのようにマーケティングについて「4つの基本理念」を書いています。
よかったら続けて読んでいただけると嬉しいです!

今回は、具体的内容の続きとして、④4P(Product、Promotion、Place、Price)について一緒に勉強していきましょう。

4)具体的な内容(続き)

『ドリルを売るには穴を売れ』で学んだことは、前述した4つのポイントです。
これはマーケティングの基本的理論です。

①ベネフィット
②セグメンテーションとターゲティング
③差別化
④4P(Product、Promotion、Place、Price)

あなたやあなたの周りの人たちは、仕事を進めていく中で、マーケティングのことをどれくらい考えて実行してますか?ことばは知っていても、いざ説明してよ!ってなるとなかなか説明できない自分にビックリします。
そして、真の内容を知らないままガンガン進んでも、きっと壁にぶち当たります。
最近は、そんな風に思えるし、身近に悩んでいる人があれば、速攻でオススメしています!

この4つの基本理論から一緒に学びましょう!というコンセプトで、BLOGに書き始めましたが、一応「基本理論」の部は今回で終了です。

これまでに、①ベネフィットを学んで正しく説明できるようになったと思います。
②セグメンテーションとターゲティングについて説明できるようになりました。
昨日は、③差別化について学び、マーケティングに必要な軸の設定が理解できました!
そして、今日は④4Pについて一緒に学びましょう☆彡

④4P(Product・Promotion・Place・Price)

またまた、「4Pって何?」とのっけから思ってませんか?しかし、もうそろそろ、何かビジネスに関係する、そんな中でもマーケティングに必須の項目の頭文字なのでは…と推論できるようになっていませんか?

そうなんですよね!このような、これまでの学習での「意識経験」を通して、あなたは何かを「推論する」「推測する」「予測する」ことができるようになりました。これが大事☆彡

あなたの脳は、「情報収集力」から「情報編集力」の脳に変化している証拠ですよ!

このことについては、「学習」「教育」と合わせて後日改めて解説したいと思います。

と言うことで、肝心の「4P」ですが、以下のようになります。

① Product(製品・サービス)
② Promotion(広告・販促)
③ Place(流通・チャネル)

④ Price(価格)

これまで、顧客にとっての価値である「ベネフィット」、求めるベネフィットにより顧客を分ける「セグメンテーション」とどこか狙いを定める「ターゲット」、そしてターゲットにはベネフィットを提供するだけでは選んでもらえないので、競合より高い価値を提供して「差別化」する必要があることを説明しました。

そして今回、顧客に価値を提供し、その対価としてお金をもらうための具体的手段、価値を現実化するものとしての「4P」を説明します。

ちなみに、「4P」とはマーケティングの最も基本的なフレームワークのひとつである「マーケティングミックス」のことです。このマーケティングミックスは1960年代前半にアメリカのジェローム・マッカーシーという経済学者が提唱したフレームワークなになります。

① Product(製品・サービス):どんな価値を売るのか?

これを通じて顧客に価値がもたらされる。マーケティングの中心に来るのがこの「製品・サービス」です。中心に来るのは、顧客がこの製品・サービスを通して、価値を実現するからです。

Productの訳は「製品」ですが、売り物は「モノ」とは限りません。僕の生業のリハビリテーション・セラピストは運動療法というリハビリテーションのツールを使用して患者の治療訓練を施すサービス業であり、「モノ」を売っているわけではありませんよね。

ここでいう「Product」とは、有形無形に限らず「売り物」という意味になります

パン屋はパンを、時計屋は時計を、エステは美容サービスを、レストランは食べ物や飲み物をそれぞれ売っていますが、自分で作っている、作っていないは別にして、「売り物」が製品やサービスです。

どんな価値を売るのか?という視点から「何を売るか?」を決定することは非常に難しい。しかし、最重要なテーマです。

つまり、「何を売っているのか?」という問いは、あなたが「どんな顧客の、どのような価値を実現しようとしているのか?」という問いと同じだということ。だから、あなたが売る「製品・サービス」はこの問いへの回答によって決定します。

しかし、もっと大事なものがあると著者は言います。

「これを売ることによって、お客さまにどのような価値をもたらそうとしているのか?」

という問いは、ビジネスの根幹にかかわります。これらの問いへの回答は、事業領域を決める重要な決断になります。心して取り組まなければいけませんね!

② Promotion(広告・販促):価値を伝える

製品・サービスを売るためには、その存在やもたらすベネフィットを顧客に伝える必要があります。知らなければ売れないし、知っていても価値が分からなければ売れません。

差別化は顧客に伝わって初めて有効となります。どんなに良い製品でもその価値が伝わらなければ売れません。良いものを作ることは、必要条件ではあるが、十分条件ではありません。なぜなら、顧客にとって本当に良いものかどうかは、買って使ってみてからでないとわからないからです。

製品・サービスが良いかどうかは、使ったり買ったりしたことがない人には関係ありません。だから、買ったことがない人には、よいだろうと「感じてもらうこと」が重要になります。そのために、あなたは「価値」や「差別化」のポイントを顧客に伝えることが必要になります。この「価値を伝える」ことが、ここで言う「広告・販促」の役割と言うことです。

日本語で「プロモーション」と言うと、店頭での販売促進、値下げキャンペーンなどを思い出しますが、この本の「4P」でいう「Promotion」は、「顧客への認知と購買の促進」という広い意味で使われています。もちろん、先のキャンペーンなども含んでいます。

顧客に「価値を伝える」ことが目的であることを忘れない!
すべての基本は「顧客にとっての価値」です!

広告では、差別化ポイントを訴えることが重要になります。

広告の主たる目的は、認知促進です。製品・サービスの存在と、それがもたらす価値を潜在的な顧客に伝え覚えていただくことで、購買意欲を刺激します。

その広告を分解すると「広告媒体」と「メッセージ」になります。

1)広告を伝えるには「媒体」が必要です。

4大媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)と交通広告などがマス広告の代表です。

この本の初版は2007年、13年前になるので、この広告の媒体も少し様変わりしていると思います。現在は、インターネットを中心としたSNSがその中心、特に若者を中心としたターゲットに向けての広告は、Twitter、InstagramなどのSNSを媒体とすることが必要なようです(これは私見なので、間違っていたらごめんなさい)。

2)広告で伝える内容が「メッセージ」です。

メッセージの基本的な役割は、もちろん「買ってもらうこと」です。そのためにも、製品・サービスの差別化ポイントを顧客に伝えることが重要になります。

もし差別化ポイントを伝えても売れない(ここでは、購買欲求が刺激できないとも考えます)のであれば、それはメッセージ以前に差別化ポイントの設定が間違っていると考えましょう。早速、設定の修正に入りましょう!

基本的メッセージは「〇〇を買ってください」ですが、顧客は欲求充足を買うのだから、伝えるべきメッセージは、以下のようになりますよ!

「この製品・サービスであなたの欲求が満たせます」

ですから、「キャッチコピー」が重要になります。

この本に紹介してある「欲求を刺激するキャッチコピー」は以下の通りです。

ちょっと脱線しますが、僕の好きなキャッチコピーをいくつか紹介しますね!

3)販促とは購買を促進する仕組み

「販促」とは、その名の通り「販売促進」の略語です。広告と販促を厳密に区別することは難しい。

・広告:認知を促進する手段の総称
・販促:その場で販売を促進する手段の総称

販促の手段は業種業態によりさまざまです。

・サンプリング(シャンプー、ガムなど駅前や店頭での無料配布、販売促進員の料理)
・イベント(スーパーでのマグロの解体ショー)
・スタンプカード、ポイント(あなたの財布にも複数枚はいっているはず!)
・値引き(期間限定のキャンペーン、在庫処分バーゲン、福袋)

顧客にとって価値や差別化ポイントを伝えることこそが、Promotionです。

Place(販路・チャネル):価値を届ける

広告・販促はその価値を伝えるものであり、販路・チャネルはその価値を実現するための製品・サービスを届けることです。簡単に言えば「どこで売るのか」ということになります。Placeを直訳すると「場所」なので、販路・チャネルは意訳かな(笑)

具体的には以下のようなものが該当します。

・店舗
・営業パーソン
・代理店
・自動販売機
・通信販売

④Price(価格):対価を得る

価格は顧客が売り手に支払う直接的な対価です。基本的には「高くするか、安くするか」という選択です。

しかし、価格は「価値を提供して対価をいただく」というマーケティングのなかで「対価をいただく」という部分の中核になります。この点から考えると、「4P」のひとつという位置づけより、はるかに重い意味を持っていると考えるべきです。

1)どのように「対価」をいただくのか?

これはビジネスモデルの中でも中核です。例外を除いて、価格は「原価」を上回らなくてはいけません。原価に利幅を上乗せして価格を決めることになりますが、安すぎると買ってもらえても利益がでないし、高すぎると買ってもらえず利益がでません。

2)どこまで価格は上げられるのか?

ここでも「顧客の価値」に戻りましょう!顧客にとっての価値が高ければ、価格が高くても支払います。価値が低ければ価格がいくら安くても買いません。

例えば、あなたは美味しくないラーメンをただ安いからというだけで食べますか?きっと食べないですよね…
しかし、ルイ・ヴィトンのバッグは10万円以上もするのに人気があります。同じような、あるいはそれ以上のスペックがある本革バッグが数万円であっても、多くの人はヴィトンを購入します。これは、「持ってる」と優越感がある(社会欲求)「やっと買えた」という達成感(自己欲求)などの価値があるからですよね!

価格という「対価」は、あくまでも「価値」と比べる相対的なものです!
そして、顧客は、あくまでも「価値の対価」として、価格の高い安いを判断します!

低価格戦略をとる会社は、規模の経済を活かして低コストで生産し、多くの顧客に売って利益を上げます(客数重視型)。

高価格戦略は、お金をかけてこだわって作った製品を、それを求めている少数の顧客に売って利益を上げています(客単価重視型)。

3)誰から対価をもらうのか?

上記した低価格戦略(客数重視型)と高価格戦略(客単価重視型)では、どちらが良い、悪いではなく、自社の強みなどによって採用する戦略は異なります

また、フリーダイヤルは電話を受けた人に通話料を請求するし、リクルートの無料雑誌「R25」や「ホットペッパー」などは読者ではなく広告主から対価を受け取っていて、誰から対価をもらうのか、ということの視点を変えることでユニークなビジネスモデルを構築しています。



ここまでで、「4P(Product、Promotion、Place、Price)」の説明は終了になります。

一口に4Pと言っても、業種や業態により異なることが理解できたと思います。

例えば、製品・サービスの場合、メーカーなら自社工場で作るだろうし、小売店なら卸やメーカーから仕入れることになります。

販路・チャネルでは、メーカーは卸や小売店に売るか直販だし、小売店ならその店舗そのものが販路・チャネルになります。まとめは以下の表のとおりです。

このように、「4P」を考える時には、バラバラに考えるのではなく、一体化したものとして全体の「一貫性」を取ることが重要となります。4P間での一貫性、4Pと差別化戦略との一貫性などですね。これらで4Pのあり方も大きく異なっていきます。

例えば、吉野家の牛丼という「製品」が良いか悪いかは、それだけでは決められません。あの価格で、駅前で、あのスピードで提供されるからいいのであって、デパートやレストランのように3000円で提供されていたら、あなたは食べますか?僕は食べませんね…

重要なのは「一貫性」です。一貫性があれば、4Pは相互に絡み合い大きな力となります!

と言うことで、4Pを別々に考えてはいけません。あくまで全体としてセットです。

本書では説明の都合で4Pを分けて説明してありましたが、実は4Pは分けられないものなのです!

例えば、製品と価格は分けられません。「この製品が〇〇円だったら買う」というように、製品だけを見て顧客が買うか買わないかを決めることは少ない。また、製品そのものが広告にもなっています。さらに販路もある意味広告です。あるいは、ルイ・ヴィトンなどはショップそのものが広告です。価格そのものにも意味があります。

最終的には、「ベネフィット」「セグメンテーション&ターゲット」「差別化戦略」「4P」に一貫性があることこそ、良いマーケティングの必要条件ということになります!

明日からは、これらの関係性を考えて、あなたの仕事に取り組んでくださいね!

【追記】
ちなみに、この本には書いてありませんが、追記しておきます「4P:マーケティングミックス」というのはマーケティングの非常に重要なフレームワークなんですが、最近になって、「もう4Pは古い考え方だ、今は4Cの時代だ」と言う人が現れています。
この「4C」とは1990年代に、アメリカの経済学者で特に広告関係で多くの論文を書いているロバート・ラウターボーンという学者が提唱した4Pに対応した新しい概念で、マッカーシーが1960年代に提唱した「4P」を顧客視点から以下のように再定義していることが特徴になります。

◇ 
今日も最後まで読んでいただき、どうも有り難うございました。

この4日間、以下のことを一緒に学んで来ました。

①ベネフィット
②セグメンテーション&ターゲット
③差別化

④4P(Product、Promotion、Place、Price)

マーケティングにとって、これらどれもがとても大切であることが理解できたと思います。
あなたは明日からの実践がすごく楽しみになったのではありませんか?
僕が以前、この『ドリルを売るには穴を売れ』に出会い、マーケティングの基礎を学んだ時は、すごくワクワクしながら仕事での問題解決にあたり、成果を出すことはできました。

唯一問題だったのは、周囲への啓発になります。これには少々時間がかかりましたが、何かの時にはマーケティングの話題を提供したり、同僚の思考の内容をマーケティング用語で置換してみたりしながら、今では受け入れてもらい、全体として取り組めていますよ☆彡

だから、あなたも焦らずにやり始めて、やり続けて、やり抜いてくださいね☆彡
それでは、また!Ciao☆彡

p.s.明日からはマーケットのなかでも「学習」「学力」に注目して話を展開していきます。『「学力」の経済学(中室牧子著)』『「原因と結果」の経済学(中室牧子・津川友介著)』の2冊を参考書籍としています。
ようやく、僕の仕事に近い話ができます。乞うご期待☆彡

【参考・引用書籍】
・佐藤義典著ドリルを売るには穴を売れ青春出版社

【次回からの参考・引用書籍】

・中室牧子著『「学力」の経済学』ディスカバー21
・中室牧子、津川友介著『「原因と結果」の経済学』ダイヤモンド社

投稿者: コージーニ先生

リハビリテーションセラピストです。現在までに約15万人の患者、その家族及び学生と保護者とかかわりを持ってきました。その経験から患者とその家族&子どもたちと学生たちとの人生に寄り添って感じたこと、学んだことの中から「過去の僕」に知っておいてほしいコト&「未来のみんな」に伝えたいことを呟きます。 著作や詳しい活動履歴はこちら→ https://kojini'sblog.com/about

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